ちょっといいたいだけ

主に私立恵比寿中学とukka(桜エビ~ず)について書いています。

観劇メモ:シアターシュリンプ 第2回公演 「ガールズビジネスサテライト」東京グローブ座

今年は会場が一回り大きくなって、恐らく毎回当日券が用意されてたりとかなり状況が変わったシアターシュリンプ第二回公演「ガールズビジネスサテライト」を観てきました。

観たのは3/20のマチネ。とはいえ、抽選で当たったのはこの1公演のみですし、席は2階の最後列だったので双眼鏡を持って行けば良かったなと思ったり思わなかったりでした。
会場のグローブ座が久しぶりすぎるのと、2階で観たことが無かったのでそこまで考えが及びませんでした。でも、2階の最後列でも細かい表情以外はよく観えました、観やすい劇場ですね。

セットは会場の構造に合わせてという感じの構成で、前回の2階建ての学校から、今回は段差と奥行きのあるファミレスが舞台。大阪ではどんな感じになるのか想像もできないですけれども。

今回のお芝居のテーマは「ビジネス・仕事」、これが少女たちの思うところの大人の象徴みたいなものとして描かれていたのかなと思います。
脚本・演出は第一回*1と同様、土屋亮一氏(シベリア少女鉄道)。

さて「ガールズビジネスサテライト」、ざっくりとしたあらすじは、
____
「田舎のファミレスにアルバイトとして潜り込んだ
ゴ シップ 月刊 誌の編集者2人(柏木さん、客演の浅見さん)が、
店員や客の無意識に妨害されながらもスクープを狙う」
____
こんな感じでしょうか。

ファミレスの店員は廣田さん演じるところの正規(?)のバイトと、柏木・浅見のゴシップ誌コンビの3人。それに対して客が、その他のエビ中メンバー6人と前回から引き続き客演の加藤さんという配役。

設定的には1シチュエーションだし、時系列も前後したりしないオーソドックスな感じでしたけど、役柄が「店員と客」だったので、客側の説明すべき要素が多くて、さらに店員側にややこしい設定がある上に話の大スジがそっちに振られているので、これはなかなか難易度が高かったなと思います。

そして、そういったややこしさのせいで、最後の畳み込む見せ場がちょっと弱くなっていた気がします。大オチの弱さに関しては、説明的なところをひとつ挟む*2という演出なのか、その場(稽古の段階での)のやりたがりでなのかわかりませんが、その辺がさらに弱さの原因になっていたように感じました。

とはいえ、上演時間(80分)にしては良くまとめていたと思いますし、8人に過不足なく見せ場作るのも大変だったでしょうし、稽古の時間も取れなかっただろうとは思いますので、あまり責められないかなとは思います。

今回は本筋の部分が弱かったので、各々の役柄が結構濃い目に付けられていたような気がします。逆にいうとそこに寄せたところでなんとか成立していたと言いますか…。

そんな今回の配役で割を食ってたのは、柏木さんと真山さんと星名さんだったでしょうか。
柏木さんは話の進行役だったので、舞台上に出てる場面こそ多いですが、話的にオイシイところは少なくて、どうしても設定の説明や状況の説明にセリフが割かれている印象が強く、今回の振り回され役でもありました。
そんな中でもキッチリそういう役ができちゃうところがさすがというか、すごいところですね。

真山さんは大人の女の曲がった部分*3を煮詰めたキャラクターだなと思ったので、個人的には全然良くなかったですね、芝居の味付けもマキアートの役*4と似たような感じでしたし残念。
難易度というよりも感情の起伏が異常な人の役が回ってきている印象。それはロボサンの時から感じてるところなんですが、まだ連続ドラマなら設定の回収もできるけど……。

星名さんに関しては、上手い下手では無い部分で役柄がしっくり来てないように感じました。本人がやりたい役をリクエストしたという話がありましたが、実際それがどの程度反映されているのかはよく分かりませんけれど、ちょっと難しいなと感じました。マキアートでの役が最高だったのでギャップが強かったかな。単純にあれをまたやれば良いのにとは言えないですが。

廣田さんは前回の星名さんの役回りを担う感じで気ままに場をかき回すホワっとしたファミレス店員で、ちょっとバカに寄せすぎてるかなとは思いましたが、なかなか見ない感じなので面白かったです。これまでのエビ中のライブとも、演技とも、メイキングも含めてどれとも違う感じでした。ごゆっくりどじょー。

かほちゃんは安定した演技で、今回ももう1人の振り回され役になってはいたのですが、振り回される中で、感情を強く出す場面があったりして、新しい面も出してきてるなと思いました。同級生にも大人にも振り回されてちょっと黒い部分が出るっていう。演劇は記号が重要だとは分かるんですが、新人漫画家が赤いベレー帽でってさすがに、と思いましたが。

安本さんは相変わらず台本があればちゃんと喋れるし、前作も今作も客演も含めて、そもそもがちょっとオーバー目なコント寄りの演技なので、いかにも演劇っぽい感じがよく出てるように思いました。セリフも感情の起伏の具合も良いので、経験値が溜まっている感じがすごくするなと感じました。
普段は自分で点を取ろうとしてスベることが多いんですが、別の視点からの演出が入ると、絶妙なアシストで得点に絡む動きができるんですよね。
安本さんとかほちゃんは演技の強弱も場面毎に程良く安心して観られます。

りこちゃんは前回に続いてのサイコパス役で、自分の欲望のためには手段を厭わない女子中学生?の狂気をまた見せていました。ちょっと背伸びをしようとしたら全部失敗して、取り繕うためにやることなすことマイナスになるというトラブルメーカーの役でした。前回同様、激しい起伏のあるキャラクターを全編通して演じ切っていたわけですが、毎回これじゃないよね?って思ってしまいました。

松野さんは登場時間こそ若干少ないですが、前回の役の楽しくなってきちゃってる部分にモデル要素を足した常にテンションがおかしい役で、衣装替えが4回くらいありました。まあそれで舞台上にいる時間が短いんですが。派手目な衣装と派手目な演技で印象には残りますが、そこまでかな……。確かにオイシイ役だし、実際本人もやり切ってて良かったんですけどね。

それぞれのキャラクターの持ち味がかなり強めの状態ではじまるので、それによって物語後半の加速度もオチの破綻もちょっと弱めになっちゃってたような、そんな気がします。

話の背景に流れるメイン(と思われる)部分*5の必要性が弱く感じたので、すでに設定が複雑で、説明が多く必要になる中に、どうしてその設定を入れたのかな?と思いました。

実際の発想は多分逆で、はじめにあった本筋にメンバーのキャラクター含め、演出を足していった結果なのかなぁと思いますけれども、そこを削って客側のやりとりを中心に話を積んでいった方が良かったんじゃないのかな、なんて素人なのでそんなことを思いました。

確かにそのセリフで笑いましたが、オタクに寄せたセリフ*6を入れたり、時事ネタ*7入れたりするよりも、もっとやってほしいことがあるかなと思いました。最初に書いたあらすじの部分が全部いらないなんて言えないよ……。

しかし、面白くなかったわけでもなく、メンバーの演技が悪かったわけでもなく、逆に言うと1番ヤバい状態なのでは?とは思いました。

シアターシュリンプとしての座組を変えるほどでもないが、既に頭打ちの感じがあるという。前回が面白かっただけに、上がりすぎた期待度には応えきれていない感じはしました。

同じ座組でやるっていうのは良い面もあれば悪い面もあるっていう好例になった気はします。
これだから座組を変えろって話をするのは早計ではあると思いますが、先のことを考えるなら小さい躓きよりも大きな躓きの方が良いみたいなのもあるんじゃないでしょうか。もしかしたら別の脚本・演出でやったらホームランが出るかもしれないわけで。

といいますか、もっとオーソドックスな戯曲をやってほしいなと思ったりもしますけど。まあそうなるとメインの役柄が8人(もしくはそれ以上で)上演時間がそこそこ(1時間半程度)で、っていう難しい問題が出てくるんですけれども……。

本来なら、春公演と秋公演みたいな感じで年に2回くらいやってくれれば、半分くらいずつのメンバーをメインに据えることで脚本が散漫になることも避けられますし、次の予定が(確定ではなくとも)決まっていれば、出番の濃淡にも納得が行くのかなとか。それも個人の仕事に差が大きく付きはじめるとそうも言ってられなくなるんですが。

グループも舞台も生ものですので、変な拘りに囚われることなく、これからもシアターシュリンプを続けていっていただければなと思います。良い拘りはこれからも続けていっていただきたいですしね。
今年もBDを楽しみにしています。

____
Amazon CAPTCHA

____
20160320 昼
シアターシュリンプ
第2回公演「ガールズビジネスサテライト」
東京グローブ座
____

補足情報

シアターシュリンプ第2回公演「ガールズビジネスサテライト」
脚本・演出 土屋亮一氏(シベリア少女鉄道
客演 加藤雅人(ラブリーヨーヨー)/ 浅見紘至(デス電所
劇場 グローブ座:703席(実際は一部使用しない席があったので650席くらいを使用してたんじゃないでしょうか)

シアターシュリンプ第1回公演「エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート」
脚本・演出 土屋亮一氏(シベリア少女鉄道
客演 加藤雅人(ラブリーヨーヨー)/ 小関えりか(シベリア少女鉄道)
劇場 博品館劇場:381席

*1:シアターシュリンプ第一回公演「エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート」

*2:黒子の格好で出てくるという大オチへの流れを一旦受けて星名さんの説明セリフ的な物が入る

*3:プライベートが充実していないと仕事に身が入らない、取引相手に当たる、見ず知らずの店員に愚痴る、異性に優しくされると好きになる…等

*4:藤巻先輩

*5:月刊ゴシップ誌のスクープに関わる件

*6:セリフの中に過去の作品名を入れ込んだりしてました

*7:週刊ゴシップ誌のスクープに関して