ちょっといいたいだけ

主に私立恵比寿中学とukka(ex:桜エビ~ず)について書いています。

この世界の歪みの原因が分かった(私立恵比寿中学 7thアルバム「私立恵比寿中学」を聴いて)

フラゲ日に到着したアルバムですが当日は諸々あって聴いたのは発売日になりました。*1
発売日にとりあえず1周は聴いたものの、その後落ち着いて聴く時間が無かったこともあり、なかなか感想がまとまりませんでした。

そんな中でも今回のアルバムで感じたのは、昨年リニューアルしてからの私立恵比寿中学から想像していたイメージとは違っているなというところでした。思っていた以上に2021年5月までの私立恵比寿中学と地続きだったからなのかなという気がします。
今回のアルバムに関しては、メジャー初期のシンメトリータイトルシリーズ*2の頃のノリが多少あるかなと予想していたところがありましたが、ほぼ無かったので、ちょっとここまでストレートに来るのかという感じでした。

シンメトリータイトルシリーズといえば、Interludeも含めて曲数が多かった*3ので、暴投に近い変化球もバンバン入っていた感覚もありつつ、そんな中でもその時々(年齢、時代)を示すようなまとまりがあったように思います。もうちょっと中高生に寄る曲があるのかなと思ってましたが、そいう意味では今回は本格派過ぎるほど本格派で、最初の感想は「セルフタイトル、背負っちゃったな……」という風に思いました。

曲数もコンパクト、トビ抜けたオモシロ要素も控えていて、これまでに何度かあったようなメンバーフィーチャーみたいなところも人数の増加と曲数のバランス的に無しということで、内容的にはバチバチの正統派なのに、グループ的には逆に変化球になってるような印象すらありましたね。これはこのグループが積み重ねてきた年月とやってきた活動の幅がそうさせていると思うので、面白いなと思いました。

アルバム自体が発売する前に発表されていた曲の割合が多すぎたなっていうのが気になりました。収録のタイトルリストは事前に出ていたのでこうなるのは分かっていたはずなんですけど、あんまり事前には気にして見てないんですよね。手元に来て聴いてみてもう聴いてる曲多いなと改めて感じましたね。一番欲しいところが薄くなっちゃったな。

既出曲は比較的前半にまとまっているので、「トキメキ的週末論」からは新曲が続くんですが、5曲分なのでミニアルバムのような感じになってしまったかなという風に思いました。やっぱり(完全な)新曲が少ないので若干物足りなさが残る。とはいえ、全体的な曲の並びに関しては違和感なく良い曲順になっているように思います。既出曲含めて良いアルバムだなという感じ。ただTHE FIRST TAKEでやった2曲の音源化自体はありがたいなと思うものの、このアルバムの流れからするとやっぱり適当ではなく、10曲目までをリピート*4する形で聴いています。

「MUSiC」「playlist」と6人で積み上げてきて土壌の上に建っているという意味では、表現の難易度が高い曲が多い気がしました。新メンバーに対して殊更に気を遣うような活動はしていかないよっていう宣言なのかもしれないですが。

そういう意味では、これが今のエビ中のスピード感だというのは分かります。ただ逆にこのアルバム以外の活動はとてもいいバランスで動いている感じがあったので、凄く突き放されたような感覚がありました。リセットをかけることが正解ではないと思いますが、これに振り落とされないでついて来いよっていうのは凄い。本人振り落とされてるかどうかも気づかないままでやるしかないと思いますけど。

比較的古い曲もやる*5グループなので、新曲では先端を突っ走りながらさらに高く積み上げて、旧曲で足元を固めていくような形になるんでしょうかね。もうちょっと新しいメンバーに対して入り込める幅を作ってくるかなと予想していましたが、完全に前に向いて進んで行くという風に感じました。今回の録音に関しては能力的な問題は感じなかったですが、なかなか厳しいですね。
この通過儀礼対して、新メンバーには振り落とされないようにしっかり食らいついていって!頑張って!とは思いますけど、「それって私が求めていたことなのか?」という気持ちもないではないですね。

natalie.mu
なんてことを書いていたら柏木さんの転校がアナウンスされました。*6
転校は2022年末のライブでということなので、ワンチャン、アルバムもう1枚がある可能性はありますが、普通に考えたらこれが最後のアルバムになりますね。
柏木さんが加入してからのエビ中、メジャーでのエビ中、この数年のエビ中における集大成としてこの形になったという風に考えると、「私立恵比寿中学」がこうなったことにも理由を感じますし、なんでこんなに潔い突き放し方したんだろうというところにも繋がってきますね。

正直、新メンバーが入ったことで「まあ1年くらいはメンバーチェンジは無いだろうな」というところで安心してましたが、その時は思った以上に早く来たというか、発表が早かったな*7という感じ。これから夏までツアーがびっちり入っていることで、次の展開は既に新メンバー加入後1年を超えるということを忘れていましたね……。

加入から半年近く大きく動けていなかった*8、その後再び9人が揃ったのが大学芸会))こともあって、もうすぐ1年という感覚も無かったですね。

2015年末に突発性難聴でお休みに入ったところから、何度かの休養と復活がありながらも常に万全とは言い難い状態で7年も走り続けてきたことを考えればここまでよく来てくれたなという風にも思いますし。それ以降も(本当に)色んなことがあったグループを支えてくれていたところは大きかったなと思います。特に6人になってからのグループカラーを作っていたのは柏木さんだったんじゃないかな。

どんな芸能でも通年で仕事はするもんなんだろうけど、特にアイドルは活動にオフシーズンがないから。一度タイミングが狂ってしまうと追いつけないっていう感覚になりそうだなと思いました。柏木さんの体調を考えたらやっぱりグループでの活動は気持ち的に続けていくのは難しいんだろうなという風にしか考えられないな。最終的にステージに戻ってはきてるけど、柏木さんの場合、基本的には根本解決されてないよね。

柏木さんのことはアルバムのことに合わせて書いちゃうような出来事でもないと思うのでちょっと迷いましたが、そこをはずして書くのも難しいのでこのままいってしまいますが。ひとまずはスタダに残って体調を見ながら歌う活動をしていってくれるようなので、一度行って見たいなと思っていながら見に行くことのなかった(生誕)ソロライブに行きたいですね。今年のは丁度終わっちゃいましたけど。

人数が増えたことで各人パートが分散したことと、ユニゾンが若くなったことに関しては比較的ポジティブに捉えています。ただ想定していた自分の頭の中作品とこのアルバムとのズレはどうしてこうなったんだ?とか、「ハッピーエンドとそれから」がバカみたいに良いなとか、「さよなら秘密基地」が好きだなとか、色々とアルバム自体に思うこともあったんですが、この一件で印象が吹っ飛んでしまったな……。

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あとはあの「スターダストライト」*9がもう成立しなくなっちゃうのか……寂しいな……。取り残された私たちは、この世界の歪みの原因が分かったようなふりをして歩いていくしかない。
natalie.mu

*1:届いた日には「シン・EVERYTHING POINT2/2」だけ見ました

*2:1st「中人」、2nd「金八」、3rd「穴空」

*3:各アルバムでInterludeなどを含めて16曲程度

*4:個人的に購入したのが限定盤ABだったので両方とも12曲収録のものでした

*5:インディーズ曲、メジャー初期の曲もセットリストに入れてくるタイプ

*6:丁度時間ができて繰り返し聴いていたタイミングだったんですが、思わずイヤフォンを外しましたねぇ……

*7:今回については発表が早かったことに関してはポジティブに捉えています

*8:お披露目の予定だったファミえんが中止、9人が揃ったのが秋のちゅうおん((夏に莉子ちゃんが休み、ちゅうおん後に柏木さんが休み

*9:2021年大学芸会の「スターダストライト」