「金八」発売されましたね。フラゲ日に受け取れず、発売日には受け取れたもののとりあえずBDを見ただけで寝ました。そんな感じで昨日やっと一通り聴けました。
BT*1に載ったかりそめ氏の製作記を読んで、さらに何周か聴いたところで書いています。歌詞カードを見ながら聴ける状況では無いので、基本、音を聴いただけの感想になります。
今後、自分の中で感想がアップデートされる可能性はかなりありますが、とりあえず。
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01. 私立恵比寿中学の日常(Prologue):二乗の事情
[脚本:しりあがり寿]
このアルバムの基本コンセプトとしての「学校」的なものに寄せた内容であるとは思いますが、相対性理論とか習ってないので、学生時代を思い出すという感じでもないのですが。
とにかく芯を喰わない会話がしりあがり寿らしく、エビ中の日常らしいんでしょうね。
真山さんの演じる、先生にはたぶんモチーフがあるんだろうな……。1人学生役じゃないの切ないけど仕方ない。
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02. 金八DANCE MUSIC
[作詞・作曲:前山田健一 / 編曲:さつき が てんこもり]
歌詞が直接的に下世話なところとか、所謂業界用語満載で、曲自体は色んな曲のパロディなのに無駄に作り込みが感じられるところとか、非常にとんねるず的な世界観を感じるので結局のところ全然嫌いじゃないです。
この曲が今やるべきなのか?とか、そもそもエビ中がやるべきなのか?とかそういうことを考えるのもメンドクサイくらいの内容なので、前山田先生、往年のキレが戻ってますねっていう感じです。
褒めています。
これも結局、編曲にさつき が てんこもりが入っていることで、今の前山田先生は他人の手が少し入ったくらいが丁度良いのではないでしょうか、という感じです。
それでも世間が求めているものとの乖離はあると思いますが。
でも、この曲がただのオモシロじゃなくなってた事の方が驚きというか感慨深いところもあります。
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03. 未確認中学生X(金八ver.)
[作詞・作曲:IMAKISASA / 編曲:APAZZI、IMAKISASA]
1stアルバム「中人」以降のシングルということで、アルバムに収録するのはこのタイミングだけど、もう新譜に9人の音源は使わないよね…っていう感じですかね。
それは言ってしまえばなっちゃんの「もしかして〜」だって大好きだったし、9人の時の音源も好きです。
とはいえ、この曲は新録感がそれほどないというか、もう既に馴染んでるという感じすらします。
校長がまず聴いて欲しい曲*2としてあげているところから、(校長の考える)エビ中の根幹はこういう曲なんだろうなという風に思います。
僕はこの曲好きなので、新録が聴けるのは嬉しかったです。
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04. テブラデスキー〜青春リバティ〜
[作詞・編曲:田村歩美(たむらぱん) / 作曲:池住祥平]
疾走感だけであんまり意味のない歌詞と思ってたら、突然抱えきれない夢の話とかはじまるので、これ書いた人は分裂気味なのかな…。
「半年ちょいくらい何も背負いたくない」っていうのは、言っちゃあなんですけどリアルな感覚かもしれないですね。
とはいえ、もう既に1年くらいガッツリ背負ってるんで、もうそうでもないというかなんというかかも知れません。
相変わらず、このチームは転調が好きですよね。そのせいか若干間延びしてる感じはあります。
アウトロがカッコいいです。
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05. キングオブ学芸会のテーマ〜Nu Skool Teenage Riot〜
[作詞:仮屋一時 / 作曲:吉田哲人 / 編曲:吉田哲人、el poco maro、有木竜郎]
相変わらず、このチームは転調が好きですよね。(本日2回目)
これはライブでやるの大変そうだなと思いました。去年の後半生バンドづいていたところですが、再現性の問題で。
「高校以上一生在学生」っていうのは、2015年春以降の真山さんへのメッセージですよね。
このアルバムでは全体的に真山さんが、エビ中で居続ける*3ためのエクスキューズ*4が振りまかれています。
「学校」というテーマと同じくらい重要なテーマです。
鍵盤のアレンジがちょっと頭がおかしい感じがあって鬼気迫ってますね。褒めてます。
曲調的に「テブラ」と並んでいるのがちょっと残念。
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06. 私立恵比寿中学の日常(Interlude):早弁ラップ
[作詞・作曲・編曲:DJみそしるとMCごはん]
個人的な部分で言えば、ヒップホップとかラップとかあんまり得意じゃないので、結構昔に聴いてたモノの印象しかないんですが、その中でもこの曲は嫌いじゃないテイストでした。
詳しい人からしたらもっとそれっぽいっていうのがあるとは思いますが、かせきさいだぁとかのね、あーいった感じの昔聞いてた方のラップです。
「中人」に比べるとInterludeが最早Interludeではないですね。
短いといえば短いので曲というにはアレですが。
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07. バタフライエフェクト
[作詞・作曲・編曲:U-re:x]
この曲がこのメンバーでの最初の音源なので、既に歌声が古く感じてしまいました。
何が悪いわけでもなくこの年頃の子達の変化や成長のスピードの問題なんですが。
そういう意味でも収録された音源の中でちょっと浮いているように感じました。
そもそも曲調が元祖ビートパンク風だから、今風の曲に囲まれると浮いちゃいますよね。
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08. ちちんぷい
[作詞:あだるとゆうくん / 作曲:ウイ・ビトン / 編曲:魔法少女になり隊]
全然そういう曲じゃないんだけど、すごい泣けるというか高校生くらいの時に聴いていたような曲のノスタルジーというか、ビートパンク世代なのでこういう感じに弱いんです。
アッパーな新曲群の中では一番好みかなと思いました。
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09. U.B.U.(金八ver.)
[作詞:池田貴史、マネキン先生 / 作・編曲:池田貴史]
2013年当時のU.B.U.について。
http://d.hatena.ne.jp/iitaidake/20131016/1381915041iitaidake.hatenadiary.jp
この曲はパート割りが完璧だったんですが、メンバーが変わったことでそこに変化があったわけですが、なんというか、また完璧なパート割りであるので、逆に特に何もありません。
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10. フユコイ
[作詞・作曲:田仲圭太 / 編曲:松隈ケンタ]
有明で聴いた時はこれは参ったな*5と思いましたけど、終盤はどんな曲か分かるくらいになっては来ていたんですが、あの数分間では間に合わなかった。
あの日は客出しでも流れてたと思いますけど、早く音源で聴きたいなと思う曲でした。
ボカロ曲っぽさあるけど。
結果、音源になってみると切なさすごいからやっぱり良い。
ここ人達は冬になるとこういう感じの曲を好んで選んでくるので、冬はこういう曲作りたくなる季節なんでしょうね。
松隈ケンタっていう人がやっぱり楽曲をエモーショナルにすることに長けている人なんだと思うんですよね。
どの程度編曲に比重が置かれているのかは分かりませんが、心の琴線に触れてくる技がある感じがあると思います。
ライブで音源クオリティの歌が聴けるようになれば、結構最強な感じはあります。
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11. PLAYBACK
[作詞・作曲:久保田真悟(Jazzin'park)・栗原暁(Jazzin'park) / 編曲:久保田真悟(Jazzin'park)]
イントロで掴んでくる曲が好きなのですが、この曲もイントロでスッと入ってきてそのまま最後まで聴ける曲。
リズムトラックが入ってくるところもカッコ良い。
心地の良さがありすぎて、歌詞があんまり入ってこないんだけど、バックトラックの感じと歌声と完璧なので砂漠に水を垂らしてるような状態。
ザキさんが瀬戸ボーイと殴りあったでお馴染みのオートチューン問題も、別にもっとやっても良かったかもしれないし、今の完成品が最高だったかもしれないし、どっちにしても良かったと思います。
青年館で音源だけ聴いた時点で最高だったんですが、CD音源を聴くと、これがライブでどこまで再現できるのかなとは思いました。
出来が良すぎた。
とはいえ、これが2015年のエビ中だって言われても……ってところがありますので、藤下さん*6の判断は正しいのかもしれませんね。
流れで聴いちゃってるけど、多分この曲浮いてますね。
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12. 幸せの貼り紙はいつも背中に
[作詞・作曲:平野航 / 編曲:WK1(鈴木慶一+曽我部恵一)]
2014年の個人的楽曲大賞。
http://d.hatena.ne.jp/iitaidake/20141216/1418700070iitaidake.hatenadiary.jp
ここまでがこのライブ(アルバム)の本編のイメージです。
次の曲からアンコールになります(と思っています)。
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13. ハイタテキ!
[作詞:TAKUYA、MEG.ME / 作曲:TAKUYA / 編曲:TAKUYA、Keisuke Iizuka]
8人の新しい名刺になる曲だと思います。
歌詞は意味と無意味が混在しているし、曲にはクラシックを引用しながらもギターポップとしても優秀。
TAKUYA曲に負けないヘンテコなグループだから、両方が結果的に際立ったのかな。
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14. 大漁恵比寿節
[作詞・作曲・編曲:井手コウジ / ホーンアレンジ:田中優至(奇妙礼太郎トラベルスイング楽団)]
音源で聴く分にはそこまでの絶望はなかった。
これはこれでパロディなわけじゃないですか、それでもこんなことやる必要はないなっていうところなんだけど、自分の中で「金八DANCE MUSIC」は笑って聴けるのに、こっちは眉間にシワが寄るのは、この曲に関してもとんねるず感の話になるんですが、こっちは野猿なんですよね。
オフザケが過ぎて真面目になっちゃって、なんかこれじゃないよなっていう風になったのかなって。
真顔でふざけることで面白いってほどの威力を感じない。
楽曲が悪いわけでも、仕上がりが悪いわけでもないんだけど、行き着いた先、意味がわかんないなっていうのが正直なところです。
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15. 買い物しようと町田へ
[作詞・作曲・編曲:大内正徳 / ホーンアレンジ:鬼頭哲(渋さ知らズ、KITO, Akira Brass Band!)]
イントロ最高!
で、ちょっとそれ以降の印象が薄くなっちゃってます……。
結局は日曜日が終わらなければいいのになっていうことなんですよね?
とはいえ、どうでもいいようなことを歌うグループとしてのエビ中っていうものが一番体現されているような気はします。
これはこれでエビ中らしさがすごくあると思います。
いつの日にかメッセージ性のある曲を歌うようになっていたエビ中をグッと引き戻す曲ですね。引き戻された場所がどこかは知りませんけれども。
これもアッパーだな…。
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16. 私立恵比寿中学の日常(Epilogue):蛍の光(Demo)
[作詞・作曲・編曲:尾崎世界観]
最後にこれが残ってるの、存在感がすごい。
配信版を買っていないので、鳥を捕まえて試聴の動画を見てこれはヤバいなと思いました。
一発録りのユニゾンと伴奏だけの質感。
去年のこと、今のこと、そしてこれから(起こりうること)が、ないまぜにされた歌詞も武道館の逸話も全てが頭を回って、思わずモニターが歪んで見えました。
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アルバムの全体像としては、思った以上にアッパーだったなという感じ。
曲順に関しては、ライブのセットリスト感があます。
「テブラ」、「キンテマ」、「ちちんぷい」と近いテイストのものが曲調的にも並び的にも揃ってしまったなという風には思いましたね。
その辺の流れを「早弁ラップ」だったり、「バタフライエフェクト」だったりで緩急や変化をつけているんだとは思うんだけど、そこまで効果的な感じはしないかな。
セットリスト的に考えれば、前半をアッパー系連発の疾走感から、中盤「U.B.U.」で徐々に流れを落ち着かせて「フユコイ」そして「PLAYBACK」で、パッとひらけた世界を
「幸せの貼り紙はいつも背中に」で一旦〆る。
いい流れじゃないですか。
「ハイタテキ!」、「大漁恵比寿節」がアンコールで、ダブルアンコールで「買い物しようと町田へ」と「蛍の光(Demo)」。
逆に言えば「U.B.U.」から「幸せの貼り紙はいつも背中に」までの流れが完璧だと思うので、その為に前半にタメを作ってるという風に思えば、この曲順で良かったんでしょうね。
やっぱり「大漁恵比寿節」はこの中でもジョーカーには違いなく置きどころの難しさ感じますね。
真山さんはパート毎に色んな声を使って幅を見せてるし、柏木さんは力強い声に変わり、安本さんは高音を澄んだ音で鳴らすようになった。重要なパートをカホリコに振って、今回に限っては廣田さん、星名さん、松野さんは持ち味を小出しにしてる感じ。結局は飛び道具しかいないグループの感じは残しながら、背骨がどんどん太くなってる感じがします。
パッと聴いただけじゃ誰かわからないパートが増えました。
まあ時間を見つけて歌詞をじっくり読みながら聴きたいと思います。
歌詞見ると色々変化があるかも知れないです。
では、そんなところで。
(良いタイトルが思い浮かんだら変えます)
「金八」特設サイト
http://www.kinpachi.net/
「金八」視聴サイト
http://kincho.net/
- アーティスト:私立恵比寿中学
- 発売日: 2015/01/28
- メディア: CD