ちょっといいたいだけ

主に私立恵比寿中学とukka(ex:桜エビ~ず)について書いています。

観劇メモ:「ボクコネ 〜 ボクはテクノカットよりコネチカット」

日曜日の昼*1配信を見ました。
アフタートークは真山、星名、山田役の山口さん。まだ配信中なのでネタバレが嫌な人は見ないでください。

私立恵比寿中学4年ぶりの舞台ということで、めちゃめちゃうれしい開催だった*2んですが、チケットが取れずに絶望するところからスタートして、一般発売でギリギリ1公演取れたので、エビ中のお芝居がやっとまた見れるんだなという風に一端の安堵がありましたが、このご時世に勝つことはできず公演の中止ということになってしまい、3年ぶり2度目のチケット払い戻しをしました。仕方がないことですが、まだ舞台を見ることはできないんだなと思いました。

この状況で、色んな演劇関係者が演劇を延期することの難しさを語っていて*3、演劇は公演延期ではなく、公演中止にせざるを得ない事情というのが全く理解できることなので、(開催前の前準備から、全ての回収が出来なくなるため)厳しいが中止にするしか方法が無いのが実情だということであきらめていましたが、公演の配信をしてくれるということで、チケットが当たらなかったことを考えれば*4、配信で見れるのはありがたいなと思いました。ちょっとお値段は高いなと思いましたが。

配信前から販売を開始していた*5パンフも、いつもだったら会場まで買いに行くからいいよと思うレベルの送料をこういう時だから仕方ないということで払って通販で購入して配信を待ちました。*6

スマホの画面で見るのは忍びないのでテレビで見たいと思いましたので、ZAIKO(配信元サイト)で無料のテスト配信をテレビにキャストできるかどうかを確認、サンプル動画はVimeoの動画でしたので、Vimeoのアプリもインストールして、Vimeoの動画がキャスト(全画面)できることが確認できたので安心しました。

諸々の事情があり初日・初回の配信を見ることができないなということになりまして、夜も都合が悪かったので、日曜の昼の回を見ることにしてチケットの購入をしていました。

そんなワケで土曜のバタバタは対岸の火事ではありました。まあどっちにしてもこれはこれでこういうタイミングにまだ大雨が降るグループなんだなっていう感覚はありました。そして、まあ配信が出来なくなった原因が停電*7だったので不可抗力ではありますが、別のプラットフォームだったらこういう状況へのバックアップが出来ていたのではないか?とか、これはあくまで「たられば」の話なんで、何でやってもダメなもんはダメなのかもしれないんですが。新しいプラットフォーム(実績はあったようですが、私はこの機会に知りました)に対しての不信感みたいなものはどうしてもありますね。そんなこんなで土曜の配信が昼夜共に中止になってしまったことで、日曜の昼の回が初回になってしまいました。想定外だよ。

なんだかんだで日曜日テレビの前で配信の開始を待っていたら、結構時間ギリギリに視聴可能になったところで、配信が「Vimeoじゃない……」となりまして、テレビにキャストできないよ!となって、その後舞台配信が始まったところでVimeo経由のキャストをあきらめて、スマホの画面をそのままテレビに出力してandroidのbackボタンが表示されるテレビ画面で2時間の舞台を見ることになりました。この件に関しては結構怒っています。

アーカイブは24時間、本編とアフタートークで3時間弱あったので、何度もは見れませんでした。
というか、リアルタイムで1回見て、終盤をもう一度見ただけで終わりでした。外出自粛の世の中ですが、月曜日は平日です。

----ここからネタバレ----

さて、事前情報としては「ボクコネ」という作品は再演である*8ということくらい。設定も何も、あらすじも読まないで本番を見ることに決めました。パンフは手元に届いていましたが袋から出してませんでした。

私はSF好きなんですよ、そしてドタバタハートフルコメディが好きなんですよ。

物語は古いアパート*9の1室でのやりとり(星名、柏木)からスタート。
ここから最後までほぼ柏木さんはステージ上にいました、これってすごいなっていうのは終わってから思うことですが。
星名さんは今回当たり役というか、星名さんの実態からかなり距離があるはず(よく知りませんが)の役柄*10なんですが、ルックス的には完全にドンハマりの役で演技に関しても前作*11の完全コミックキャラクターと一般的な登場人物というところの丁度中間くらいの温度感で良かったように思います。
柏木さんは今回も主役でしたね。演技力の高さと、舞台に向いた感情表現ができるところがやっぱり毎回磨かれている気がします。*12自室が主な舞台ということで、ほぼ出ずっぱりなので、大変だったんではないかと思います。エキセントリックに感情が爆発する場面がありましたし、大概不機嫌な演技が多い*13ので、こういうところでエビ中のステージでの柏木さんのイメージとの距離感がある演技を見せているのは良いですよね。
続いてこの部屋に入ってくるのは真山さん*14が派手な衣装で入ってきて3人のシーンに。真山さんは比較的普通の人の演技が多かったので、シアターシュリンプの2作よりはだいぶナチュラルな演技でした。ドラマ*15の真山さんくらいの感じでほど良かったです。
りこちゃんは、これまでも何度か言っていたかと思うんですが、おばあちゃん(イイ意味で)なので、おばあちゃん役*16をしてもまったく違和感がないので凄い。一人だけかほちゃんが見えるという役で周りからはエキセントリックだと思われているけど、実は全部分かっているというような感じの役*17だったので、シアターシュリンプでのハマり方とは全く違ったハマり役だったかと思います。*18
かほちゃんは結局何が何だか分からなかった*19んですが、あんなストーリーテラーありますかね?っていう感じでしたね。りこちゃん演じる大家さんにしか見えていないという、それはそれで難易度の高い役だったかと思いました。過去作のような物語の主軸になる役回りではありませんでしたが、なかなか良い役だったかなと思います。結果的に全てのことを知っているのはかほちゃんでしたし。何者なのかはよく分からなかったけど。

序盤で宇宙少女(かほちゃん)が時系列を戻したところ辺りからの件で、なんとなく「なるほどな」と思いながら見てしまいました。
この「なるほど」は別に否定的な意味ではなく、私なりの「なんとなくそういう感じ(SF)か……」と思ってしまったということです。SF好きなのでそれはそれでいいんですが、コメディの要素もあるんですが、それ以上にシリアスな空気が強くて、このテイストが続くのは結構厳しいなという感覚が出てしまいました。序盤からそれだったので、後半に向かうにつれて、よりシリアスな展開になっていく脚本なので、さらに真綿で首を絞められるような感じになっていきました。
このあたりについては、どういう芝居かを知らずに見ていたのでこういうことになっていました。もう少しコメディに振ってくるかと予想していたので、脚本以上にシリアスな感じを受けてしまっていたかもしれません。

そんなに大笑いするようなところはそんなになかったように感じる内容でしたが、客側の反応が無いのはやはり残念でしたね。やっぱり会場のリアクションがあるのとないのでは大きな違いがあるなとい思いました。何箇所かスコンと笑う場所があったと思うんですが、家で見ているとそういう反応もそこまでしないですし、周りのリアクションでなるほどなと思うこともありますし、まあ逆もまたさもありなんなんですが。

振り返ってみれば、これまでのエビ中演劇史上最も救いがないというかシリアスなお話だったなと思います。*20脚本的には面白い内容だったと思いますし、そういう意味では、はじめて本格的な小劇場のお芝居だったなと思いました。ただ、1週間経っても思うのはシアターシュリンプには観劇後に後味の良さみたいなものがあったことを強く思い出してしまいました。これは過去が美しく補正されているだけかもしれません。

今回の演技については、全員良かったと思います。今回ワリを食っていたのはかほちゃんでしょうか。役柄がぶっ飛んでいる割に物語のアウトラインを整えている役割だったので大変な割に本筋にいない感じがありました。ただ、ゆずちゃん(中山莉子)とはしゃぐところから、物語の時系列を整える場面、最後の10分間の場面とか、芝居の緩急であったりとか、宇宙少女の気持ちの動きとか見せる場面も多かったとは思いますが。

本筋とはあまり関係ないですが、地球の滅亡というテーマが2020年春のこの世界にはマッチしていなかったのかなという感じもありました。正直言えばもっと楽しい感じの内容のものが見たかったというか。これはまあ仕方がないんですが。私が求めていただけなので。

19日昼の回のアフタートークでは、前列中央に真山さん、机を挟んで下手に山口さん(山田役/山口森広)、上手に星名さんという布陣で、今テレビ番組でもこういう感じに並んでいたりするわけですが、こういうのを見るとキン肉マンソルジャーチームを思い出します。*21
山口さんが真山さんを「真山っち」と呼んでいて、「真山って呼び捨てだから呼びにくい」と言っていたのが目からうろこでした。真山さんがSSWの役なのでギターを弾きながら歌う場面があるんですが、そのギターを山口さんが指導してくれたそうで、劇中で弾いているよりも実際はもっと弾けるっぽかったです。*22あとは星名さんの終盤の形態に美術さんの技術の粋が使われているとか、真山さんが苦労したのは序盤のどうでもいいようなところで噛んでいたので結局それがなかなか直らずに苦労したとか。山口さんは猟奇的な役というか人間性がヤバい役をやっていたので、マネージャー?さんから本当に嫌いになるといわれたとか。真山さんがすぐ後ろを向いて話し出すので顔は見れないし、ソルジャーチームにしている意味がないし、本当に可愛かったです。*23
アフタートークは45分くらいやってくれたので、結構たっぷりやってくれたなと思いました。

過去の上演時の写真を見ると、件の2人組は男女のペアだったりもするようなので、安本さんが復帰しても再演の可能性はあると思いました。元々住人も女性5人というわけでもないようなので。

ところで、このタイトルってなんでこのタイトルなんですか?

会場にも行っていないのにいつもと同じような内容になるのは何なんだろうかと思いますが、まあそういうことです。*24
とりあえず今は、全部のアフタートークを含めたBDの発売を待っています。

※BD出ます!やったー!

www.stardustpictures.co.jp

www.bokukone2020.com
natalie.mu

*1:2020/4/19 14:00配信

*2:シアターシュリンプ(土屋亮一/シベリア少女鉄道)でもないということもあったかも

*3:ちなみに私は鴻上尚史がインタビューに答えているのを見ました、演劇を延期するためには全ての出演者・スタッフを再び拘束して、同等の劇場を同等の期間押さえて、再度準備期間から開催までを仕切り直す(経費は倍、売り上げは座席の分以上には上がらない)ということなので難しいんだと言っていました、延期の難易度から中止にせざるを得ない

*4:なんとか1枚買えたけど

*5:配信時には手元で見れるという流れでした

*6:ちなみに配信前には開きませんでした

*7:当日、渋谷区内で一部停電があったとの話でした

*8:再再演、3度目の上演のようです/作・演出の高羽彩さんのWikipediaより

*9:あんまり気にしていませんでしたが、言われてみれば風呂トイレが共同でしたね

*10:日野さやか/貢癖のある、派遣と夜の仕事をやっている

*11:「ガールズビジネスサテライト」ではコミカルな女刑事役だった

*12:ちなみに「タイヨウのうた」は見ていません

*13:板垣恭子/周囲のせいで引きこもり切れない引きこもり、情緒不安定気味

*14:萬屋満/子役→地下アイドル→SSWの苦労人

*15:神ちゅーんず、君宙

*16:田中柚子/アパートの大家

*17:実際のところは分かりません!

*18:分かりやすいダークサイドな面は無いが、実は全ての登場人物のダークサイドを飲み込んでいる

*19:宇宙少女/ゆずちゃん(りこちゃん)にだけ見えている宇宙人らしき少女

*20:誤解を恐れず言うならば、安本さんの客演したシベリア少女鉄道の「この流れバスター」の方が、終盤に向けて荒唐無稽になっていったので見た後の後味はよかったというか、あきれて帰った気がしますが、なんかこう陰鬱とした気持ちにはならなかったような気がします、好みの問題ですが私はどっちも苦手だなと思いました

*21:不謹慎ギャグなのであまり言わないようにしているやつです

*22:劇中ではイントロをちょっと弾いた後にギターのボディを叩き始める

*23:ダメです

*24:人間性の問題でした