ちょっといいたいだけ

主に私立恵比寿中学について書いています。

遠い世界にたどり着いたら…

正直言うと、それほど期待はしてなかったんです。
お台場フォーク村、会場も代々木体育館と大きいので
どんな感じで見れるのかもわからないかったですし。

お姉さん方はこのイベントへの参加を起点にして
アコースティックイベント*1なんかをやったりしてましたが、
そもそもあからさまに高すぎる目標設定に対して悪戦苦闘する姿を
見たいわけではないので、そういうのはあんまりだなっていうのと、
さすがにソロは2、3人であとは何人かで歌うんだろうなと思っていました。
でも、まあ篠原ともえなぎら健壱も見たかったので、
それはそれで楽しいだろうと思ってチケットを買っていました。

その後、直前になってソロは全員歌うということが偉い人から発表されて
俄然興味も出てきたし、楽しくなってきましたね。

ここまで良い方に予想を外されることってなかなかないよなと思いながら、
各メンバーのソロに思いを馳せていました。
それは楽しい時間でしたが、はじまるまでが楽しすぎて
本番でガッカリしたらキツいなとも思ってました。
しかし、そんなマイナスの感情もスッキリと洗い流されるくらい良いイベントでした。

持ち歌を1曲やってフォークソングのカバーに入るのが通例ですので、
エビは何をアコースティックで歌うんだろうというのも興味のひとつでした。
坂崎村長に従兄弟イチ推しのグループという煽りで呼び込まれたエビ中は、
仮契約のシンデレラを歌いはじめました。ここぞという時はやっぱりこれなんだな。
完成度と楽しさで言ったらこの曲だよなと思いました。
初見のエビ中を見に来ていない皆さんはゴチャゴチャした曲だなと思ったんでしょうかね……。

そして、急かされるようにソロへ。
持ち時間ビッチリ曲やるつもりで全員分の曲数つっこんだんでしょうね。
今回はイベント自体がスペシャル版ということで、生で中継されてたのに
こんなことやらせてもらってるのって凄いことですね。

で、最初にセンターに立ったのが裕乃さん。
この順番には、教員サイドの裕乃さんへの強い信頼と
それとはまた別の次元でのチャレンジ精神みたいなものを感じました。
1人目がコケた時に起こるであろう諸々を裕乃さんに預けたわけです。

相変わらず歌は得意じゃないし、ソロなんてとんでもないと言っていた裕乃さんですし、
それほど緊張しないタイプかとも思いますが、それでも緊張する場面だったと思います。
それでも傍目には事も無げに歌い切りました。

森田童子の「ぼくたちの失敗」は裕乃さんの声質にも合っていたし、
歌い方にもとても合っていました。
そういう意味では凄くストレートな選曲だと感じました。
そして、トップという人選にも納得しました。
あの時最初に穴に飛び込んだのも裕乃さんだった。

とはいえ、今だからこそ裕乃さんなのは明らかで、これまでだったら
トップは誰だっただろうな、安本さんかな?柏木さんかな?
勢いつけるためにほしなみちゃんだったかも?というような事を思い巡らせていました。

そんな中、続いては星名さん。
折角フォークを歌うんだし、ちょっと切ない感じの
暗い目の曲を歌ってほしいなと思っていました。
最近は歌い方が、これまでの元気な美怜ちゃん一辺倒じゃなくなって来ているので、
そういう意味での期待をしていました。

選曲されたのはフォーククルセダーズの「悲しくてやりきれない」ということで、
期待通りの感じを見ることが出来ました。
ほしなみちゃんはほしなみちゃんだけど、抑揚が効いてる進化したほしなみちゃん。

安本さんは荒井由美の「ひこうき雲」で、ちょっとタイムリーすぎるかな。
荒井由美はてっきり裕乃さんが歌うもんだと思ってたところがあったので、
ここはちょっと意外な感じしましたけど、荒井由美時代の曲ならどれでも似合いそう。
序盤の抑えめの所が窮屈そうだったけど、サビにいけばいつもの安本さん。
いくつか大変そうなところがあったけど、声が良いからね。

瑞季さんは五つの赤い風船の「遠い世界に」でした。
篠原が「皆さん一緒に歌いましょうね」って言ったのを、
坂崎氏が「適当なこと言うなよ!」って切り替えしたのは良かった。
もっと暗い曲かなと思ってたんで、ここは結構意外な気がしました。
音域的にも良かったんじゃないでしょうか。
たぶん声質がこういう曲にあってるんだよね、大好きだよの歌い出し然り。

ここで続いたのが柏木さんの大橋順子「シルエットロマンス」で、
まあ意外な感じがしたといえばしましたが、この辺の曲もありなんだなーと思うと、
この後の何人かの選曲の幅がすごく広がったなと思いました。
柏木さんの歌に関してはこういうしっとりしたものよりも、サラっとしたものの方が好み。
低音からのサビみたいな技術を見せるみたいなものが苦手なんです。
自己紹介と歌がはじまってからのギャップに会場ザワっとした気がしました。

杏野さんの声や歌い方がとても好きで、今の杏野さんに一番歌ってみてほしい曲が
中島みゆきの「悪女」だったので、この選曲には思わずガッツポーズでした。
思ったよりも普通に歌えちゃったし、とても雰囲気もあってたしとても良かったです。
こんな大人(と言っても、女子大生くらい?)な歌詞でも、全然違和感なく歌えているのは
杏野さん自体の持つ、いい雰囲気があるからだと思います。

真山さんはペドロ&カプリシャスの「ジョニィへの伝言」で、この選曲も良かったですね。
彼女はこういう物語性のある曲っていうのが、表現力の高さを出せてちょうど良いような気がします。
自分のソロ曲*2にも繋がるような感じもありました。
カバーっていうことで、色々とやりすぎなかったのも良かったんではないでしょうか。

初期はパートが多い方ではありましたが、今では全員のレベルが上がったことで、
平均的なパート割になってきていますが、禁断のカルマの最初のソロパートとか
完全にセリフでも歌でもないみたいなパートを任されるのはそういうところが
引き上げられてるんだろうなという風に思います。

1人1人歌い終わっていく流れの中、最後に何人か残った中で
松野さんがトリをやると思った観客はどのくらいいたんでしょう。
個人的にはラスト2人になって、廣田さんが呼ばれるその瞬間まで
松野さんがラストはないと思っていました。
逆に残るメンバーが減っていくたびに、そろそろ松野さんにやらせてあげてよ!って思ってました。

そう思うと、その段階でちょっと予想してたのかも知れません。
とはいえ、またまた冗談でしょ、どうせ廣田さん残しでしょ?と思ってました。
最後の最後まで。

実際、廣田さんが井上陽水の「傘がない」を歌って、そっち系の真骨頂を見せた後に、
最後に控えた松野さんの心境はどんなものだったのか、ちょっと想像もつかないですが、
松野さんが吉田拓郎の「.今日までそして明日から」を自己紹介に続いて
曲紹介して歌い始めた時に、これは凄いとなりました。

この曲は原曲の歌い方が印象的なものだと思うのですが、その路線は大きく外れずに歌いきり、
さらに松野さんのこの瞬間の気持ちを載せたものになっていたと思います。

歌う前のやり取り*3から、俯いて伴奏する坂崎村長をチラチラ見続けた歌い出し、
そして後半に連れて生気を取り戻していき、松野さんの歌声を包み込むような
坂崎村長、篠原ともえ、加藤いずみのコーラスと、最後に合流してくる
エビ中メンバーの歌声が聞こえて来た時と、その心模様を表していたと思います。
これは凄いものを見れたなと正直思いました。

最後のアルフィーはまあ別の曲でもよかったかなと思いましたが、
それよりも残った出演者全員で歌った「案山子」がとてもよかったです。

ハケる時に星名さんが叫んだ「出席番号だけでも覚えてくださーい!」は、
無理だよ!と思いましたけど。

結果、毎回意外と唸るような人選になっているのは、人選の妙もありますが、
いいタイミングでいいイベントに出られてるってことなんでしょうね。
今回のイベントも、もっと早かったら絶対に全員ソロさせてくれてないだろうし、
もっと遅かったら多分みんなもっと成長しちゃってるだろうし。

歌の上手い下手でいえば、みんな大して上手くないわけですが、
伝わるのは技術だけではないということかなと思います。
その成長だったり、挑戦だったりを感じていけることが重要だと思ったりします。

この感想だって当然立場が違えば全く違うものになるでしょうが、
こういう思いができるから見てこられるし、見続けられるし、意味がある。
こういう瞬間がいつか来るのを信じてるわけです。
そして嬉しかったり、楽しかったりするんです。

全体的に各メンバーに宛てた選曲は凄く良かったと思います。
偉い人の情報によると職員側で選曲してたみたいですけど。
さすがにフルコーラスってわけにはいきませんでしたが、メドレーでもなく
いい感じにきちっと区切ってやってくれたのは本当に良かったですね。
あの場で初見では名前までは覚えられないかとは思いますが、映像が残っていれば、
きちっと自分の名前と曲名を紹介して歌い出すのは悪いことじゃないと思います。

この日のステージは、基本的に着席で見れたのも良かったです。
惜しむらくはステージ上のライトが完全に目に入って表情どころか、
姿が全く見えないような状態があったことくらいでしょうか。
映像で見る分にはいい感じだったので、これは仕方ないですね。

*1:ももいろクローバーZ「ももいろ夜ばなし第一夜『白秋』」

*2:老醜ブレイカー

*3:たぶん、客席から「拓郎!」の声がかかり、それに対して坂崎氏が「拓郎じゃねぇよ!」というやり取りがあって、それに松野さんが「えっ!?」っていう反応(恐らく自分が何かを間違えたと思った)をして、さらに挙動不審になった