桜エビ~ずの 2nd アルバム「octave」が8/21にリリースされました。
ご存知、このアルバムは2018年5月からはじまった12か月連続配信曲をまとめたものとなりますので、新曲の13曲目「せつないや」以外は既に知っている曲でしたが、まとめて聴くと感じるところ、アルバムという形になって思うことがありますね。
このアルバム、通して聴くと曲順が良くできているなと思いました。
極論、配信順に並べても良かったのかもな*1と思うんですが、そうしなかったところに意思を感じるし、そしてこの曲順でめちゃめちゃ聴きやすくなってると感じています。
1年を通しての配信だったので、ところどころ季節感が強い歌詞なんかもありますが、歌詞よりも曲調の流れであるとかバランスであるとかをメインに曲順が決められているような気がします。
どこから聴いても、どこまで聴いても良いアルバムというか、最後まで聴いてリピートしてもさあ聴き直すぞっていう気分にならずにするっと2周目、3周目に入るというか、全てに違和感が無い。
強いてあげると「Magik Melody」とか「リンドバーグ」とか、それまでの世界観をチャラにする曲が勝手に空気を切り替えているので、特にアルバムのはじまりとか終わりにこだわる必要が無い。
「リンドバーグ」そこまで……勢*2の私は、このアルバムでこれまで以上に「リンドバーグ」が好きになりました。
それが良いのか悪いのかは分かりませんが、レコーディングの時期もバラバラだと思われるので、コンディションもまちまちで面白いというか、やっぱり「リンドバーグ」や「灼熱とアイスクリーム」*3辺りよりは、「キラキラ」とか「ねぇ、ローファー。」の方が歌に表情がはっきり出ているような感じもして面白いです。
この企画がはじまるまでに各メンバーの歌唱力ってだいぶ上がっていたように思うので、この1年で極端な変化があったようには感じていなかったんですが、並べてみるとやっぱり変わってるところは変わっているし、とはいえ発表順と曲順が入れ替わっていても強い違和感は無いので
歌の上手い下手というよりも表現力が上がってるんだろうなという風に思いました。
「キラキラ」辺り*4はその辺が強く出ているのではないでしょうか。
このグループは比較的抑え目の曲が多いというか、無条件爆上がりみたいな曲が多くなく、結構初期から意識的にそういう傾向にしている*5と思っているので、新しい試みに向かうというところで、今までの感じを崩してくるという可能性もありましたが、そういう意味では延長線上のものではあるかなと思いました。
ただ延長されていった先がだいぶ拓けた場所に出たなっていう感じです。
拓けた場所に辿り着くまでに12回の進路の選択が失敗しないってすごい確率だと思います。まあ確率の問題ではないんですが。
今回の楽曲群は、ある意味フロア無視みたいな曲も少なくないと思いますし、そういう意味では「リンドバーグ」と「まわるまわるまわる」が
結果的に生贄になっているので、「まわるまわるまわる」が好き *6 な私は複雑な気持ちにならないでもないです。*7
配信順でいうと「おねがいよ」*8→「グラジェネ」*9→「キラキラ」*10の流れ *11 があったからこその、「214」*12と「ねぇ、ローファー。」*13での表現だったりもすると思いますし、逆にこの流れがあったことで、「帰れない!」*14が引き立つなっていう。
その卒業ソングの「帰れない!」*15がアルバムのトップに来るっていうなんだかんだ考えても、曲順面白いんですよね。
配信された時も、そして今も最高の楽曲であるところの「それは月曜日の9時のように」がある意味では突然変異というか、異質なものであるような気もしますが、これが突然10曲目に配信されているのが面白いです。この曲はパロディなんだけど、このグループにしかできない曲のひとつだと思いました。*16
「さいしょのさいしょ」はこのリリースの集大成である曲なので本来ならアルバムの最後に来ても良いと思いますが、12回迷って悩んで気づいた答えの後に13回目のサムシングとして「せつないや」がある以上、ラスト前の12曲目に来るというのは必然ですね。
この曲はこの曲順だよね、みたいなところってここだけのように思います。
集大成ではあっても最終回感はなくて、第1シーズン*17の総集編*18みたいな感じで、ポップに1年を振り返るとともにこの先を明示*19しているなと思いました。
そして、新曲の「せつないや」は各メンバーのソロパートがそれぞれ長めにとられていて、それぞれファルセットの部分なんかがあったりしてこの1年の修行の成果の見せどころみたいな感じがあります。
まさにこれが「さいしょのさいしょ」の歌い出しの
「昨日とかわったとこはどこ?
かわらないもの見つけるほうが難しいスピード」
が発揮されていて、まじ成長痛が止まらないって感じですね。
この曲順、素晴らしいんですが、逆に配信順に並べて聴いてみると、「この人はこのタイミングで覚醒しているのかも?」みたいなのもあるので、色んな聴き方が出来るなと思います。
そんなアルバム、桜エビ~ずをまだ聴いたことがないあなたにも1曲くらいは気に入る曲があるのでは?
ということで、桜エビ~ず 2nd Album「octave」をお勧めします。
「octave」公式映像集
https://seesaawiki.jp/sakuraebis/d/2nd_octave_tube
桜エビ~ず 2nd Album「octave」
01. 帰れない!
02. 214
03. Magik Melody
04. 灼熱とアイスクリーム
05. まわるまわるまわる
06. リンドバーグ
07. おねがいよ
08. グラジェネ
09. ねぇ、ローファー。
10. それは月曜日の9時のように
11. キラキラ
12. さいしょのさいしょ
13. せつないや
http://www.sakuraebis.jp/discography
2019/9/11から配信もあります
ukka オフィシャルサイト
*1:配信順でいうと、リンドバーグ→灼熱→まわる→マジメロ→おねがいよ→グラジェネ→キラキラ→帰れない!→214→それ9→ローファー→さいしょ
*2:他にいるかどうかは知りませんが
*3:この後、あまり触れていませんが、 「灼熱とアイスクリーム」 が配信2曲目に来たのってめちゃめちゃ大きいと思っていて、「リンドバーグ」がセンターバックスクリーンへのホームランだったんですが、マグレの可能性があるなという空気の時に、もう1本この曲が流し打ちで技ありのホームランっていう感じで来たことで、配信企画に期待が大きくなりましたよね(その後も打ちまくるわけですが)
*4:折り返しの7曲目の配信曲
*5:「Believe」や「嘘とライラック」は所謂手売りCD-Rに入ってるようなタイプの曲ではないと思っています
*6:SF大好き
*7:「リンドバーグ」はもう差し出したという気分なのですが、「まわるまわるまわる」は勘弁してください
*8:「重い女の歌」っていうのがハマった曲、茜空さんでしたかね
*9:その後、ここぞの時にやってるなっていうか、「リンドバーグ」と「それ9」を繋ぐ存在だと思います、結構大きい場面でやってる印象
*10:初めて聴いた時に壮大過ぎない?と思いました、エモエモで連発してた流れがあったのでそう感じたんですかね、この曲難易度が高いような気がするから今はベンチマーク的な感じすらあります
*11:エモ曲3部作
*12:桜エビの可愛いが詰まってる
*13:夏にやる曲じゃない
*14:この曲での皆さんの歌い方、めちゃめちゃ表情豊かで最高なんですよね
*15:卒業ソングというにはカラっとしてるし、薄口ではあると思いますがテーマは卒業ですよね
*16:ちょうどスカせる年代というか、パロディはそれがパロディと感じていない人が演じることが面白いものができる場合があると思います
*17:実質は第3シーズンくらいだと思いますが
*18:もしくは再編集版の劇場版
*19:暗示ではない