ちょっといいたいだけ

主に私立恵比寿中学とukka(ex:桜エビ~ず)について書いています。

観劇メモ:シベリア少女鉄道 Vol.25「この流れバスター」吉祥寺シアター

シベリア少女鉄道、見てきました。

内容はざっくり言うと、ゲームやマンガ・アニメ等をモチーフとした、生と死についてのお話が2幕構成で語られるいうものなのですが、第1幕は「殺し合いパート」で、安本さんはバトルロワイアル(映画版)でいうところの、ビートたけし的な役回りで登場します。
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これは殺し合いではなくお芝居であり、
参加者は出演者であり最後まで残った人の望むエンディングまでお芝居を続けてください。
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このルール説明を抑え目のお芝居で行います。その後は声のみの登場だったかな……。

お話としてはベタな展開をオーバー目な演技でやっていく感じで、オープニングからネガティブな話で、登場人物がバンバン死んでいき、最後の場面のどんでんで、勝者が決まり、エンドロールが流れました。

正直、特に想像を超えるような展開もなく淡々と流れていく芝居。諸々ちょっと心配になりながら見ていました。

さすがにこれでは終わらないだろうとは思いましたが、一旦暗転の後に全く別の設定(一部1幕目を引きずってる役もありましたが)で2幕目が始まりました。

2幕目は「生き残りパート」になります。
とはいえ、生き残るために2派に分かれて戦っている*1ので、相手を倒す(殺す)事によって生き残っていくことになります。

登場人物の目指すものはほぼ同じなのですが、その手法が違うのでそういうことなるんでしょう。

そして、1幕目は全編伏線だということが分かり、ここからは怒涛のパロディが始まります。

2幕目では1幕目で人が死ぬときに投影されていた謎のデータにあった数値が、演技力の数値化であることが分かり、それは2幕目の演者の持つ数値は1幕目と同じとなります。

途中から、次への展開が読めるところが面白くはなってくるんですが、結構、戦闘シーン(色々な作品の人が死ぬ場面のパロディ)が多いし長いんですね。

2幕目途中からはステージにリングが登場して、キン肉マンの世界観で、パロディコントが行われていきます。相手のコントに乗って死ぬ役を演じてしまうと、そのまま死んでしまうという謎の設定ですが、まあそれはいいでしょう。

戦いが続く中、アレ?安本さんは…となった頃に、序盤で死んだ警察官をやっている田舎の女子高生*2の兄の格好をして颯爽と安本さんが登場します。
役柄としては1幕目と同じ、運営側の人間ですが1幕目で演技力の高かった2人の横暴を止めるために登場します。出番・見せ場としては1幕目よりも多かったですね。

闘っている途中から、女子高生が東京に出たいっていう話になってたんですが、東京に出たい感じはありつつも田舎暮らしのあきらめで田舎で暮らしていくっていうセリフしか無かったような気がするんですが、アレ?って思いました。

1幕目の重苦しい感じもあり、2幕目のしつこめの被せもあって、面白い場面もありましたが、もの凄く長く感じた1時間45分でした。
体感時間は(休憩なし)2時間半のお芝居でした。

とはいえ、やっぱり1回見ただけでは全体の把握は難しいですね……とは思っていましたが、さすがにもう1回とは思わなかったかな……。
本当はオリジナルVer.と見比べてみたかったんですが、まあそれはそれということにしました。チケットも取ってなかったのでね…。

芝居自体の感想はそんなところにして、安本さんについて。

1幕目では、演劇の発声ではないので、声が小さいなとは思いました。*3
2幕目は1幕目と同様の口調から、怒りで声を荒げる演技、そして喪黒福造のモノマネ*4から、ジブリ*5に流れて行って、そして元のキャラクターに戻って去っていくくだりと短い出演パートの中でもさまざまなパターンがあって面白かったと思います。

後半の衣装はワイシャツにスラックスだったんですが、警官の上着を脱いだ時に、すごく細くて驚いてしまいました。
別に元々太いと思っていたわけではないんですが、気持ちオーバーサイズの男装とかしてたら目立つじゃないですか、そういうの!

安本さんには想像以上に可能性感じましたよ。

演劇畑からのアプローチがあるとこんなに面白いんだ!っていう風になった、ロボサンやシアターシュリンプとはかなり違いを感じました。これは演者の問題なのか、作演出の問題なのかは分かりません。ただ間違いなく手触りが違うものだったと思います。

土屋氏の作り方として、エビ中(例えばウレロのメンバー)にあて書きしていく時と、自身の劇団であるところの「シベリア少女鉄道」でのお芝居ではだいぶ違うのかもしれないなと思いました。

最終的に帰宅した後で折り込まれていたチラシを眺めていて、「この流れバスター」のチラシ裏面にネタバレ*6があって、ここでネタバレしてたのか!なるほどねと思いましたが、それはそれこれはこれでした。
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20150415
シベリア少女鉄道
シベリア少女鉄道 Vol.25「この流れバスター」
吉祥寺シアター

*1:キン肉マンの正義超人vs悪魔超人のオマージュ

*2:小関えりか

*3:これもあって、声が小さいというオモシロがちょっと弱くなってしまっていた

*4:笑うせぇるすバスター

*5:風立ちぬバスター

*6:2幕目のBGMがずっとアニメ版「キン肉マン」サントラだったのが気になって仕方なかったです、ED曲もキン肉マンのサントラからでした