ちょっといいたいだけ

主に私立恵比寿中学とukka(ex:桜エビ~ず)について書いています。

エビ中「らしさ」と新しいチャレンジ

「この曲はこの人が歌ってないと!」
「この人の曲ってこういう感じだよね!」
みたいなのってやっぱり結構重要だと思うんですよ。

その部分が所謂「らしさ」って言われるものだと思うんですが、
その「らしさ」っていうのがまた曲者で、世間の皆さんは当然「らしさ」を求めてくるし、
演者の方もそこは「らしさ」を意識して活動していくものだと思うんです。

ただ、その「らしさ」とは、常に更新されていかないといけないもので、
「らしさ」に頼ってその場に留まったら、それはただのマンネリになりかねない。
「らしさ」にはある一定の安全と同じくらいの危険性を孕んでいるんですね。

だから、既存の「らしさ」を残しつつ
新しい何かに挑戦していくことが求められると思うんです。

世間から求められるがままに「らしさ」だけを追い求めても、
次第に表現の幅が狭まっていく事になりがちなんですよ。

過剰な「らしさ」への傾倒は、既存のファンへの内向きなアプローチになりやすく、
表現の幅と合わせてファン層を狭めることにも繋がります。

そこでエビ中の今の路線です。
メジャーデビューからのシングル毎に5曲ずつの新曲を揃えるという体制によって、
「らしさ」の再構築と新たなる挑戦という2つの難しいテーマを両立させていると思います。

「らしさ」の再構築
インディーズ期のエビ中における「らしさ」とは、
ヒャダインの詞曲による引用や転調を多用した曲やコミカルな歌詞など、
他にあまりない変わった手触りの楽曲に代表されるがまずあります。

その他にあまりないところこそがエビ中の持つ一番の「らしさ」なのですが、
その「らしさ」を今まさに更新し続けていると思うんです。

デビューシングルの「仮契約のシンデレラ」は楽曲のイメージの「らしさ」を継承しつつも、
新たな作家である杉山勝彦デフスターレコーズ、そしてスタダの制作チームによる
丁寧な仕事で新しい「らしさ」へと再構築されている。

エビ中の楽曲がもつ「らしさ」には、無意味と青春という部分もあります。
「えびぞりダイアモンド」、「オーマイゴースト」、「ザ・ティッシュ」の無意味さ。
「どしゃぶりリグレット」、「チャイム!」、「もっと走れっ!!」における青春。
そして、エビ中の青春は意外と熱血だったりするんです。これも「らしさ」でしょう。

新しくその無意味を担ったのが「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」であり、
青春の中でも熱血の部分を担ったのが「Go!Go!Here We Go!ロック・リー」であると思います。

3rdシングルになると、「らしさ」の内の楽曲イメージと青春を「踊るガリ勉中学生」が、
そして無意味を「パクチー」によって再構築されている。

「らしさ」の要素の2つを担っているという意味でも、「踊るガリ勉中学生」の重要度がわかります。

新しい要素への挑戦
「らしさ」の範疇の中で、「らしさ」の再構築していくことも難しい作業ではありますが、
さらに毎回新しい挑戦を見せているのが、メジャーデビュー後のエビ中楽曲群です。

無意味という「らしさ」を再構築する楽曲の例として
「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」を挙げましたが、この曲は「らしさ」の再構築を
しながら、新たなジャンル(ヘビィメタル)への挑戦でもあるという楽曲になっています。
ジャンルという意味では「歌え!踊れ!エビーダダ」もある意味挑戦的ではある。

そして、2ndシングルの「大人はわかってくれない」は「青春」よりも
「思春期」という近くて遠い、メッセージ性の強い新しいテーマで作られた挑戦的な曲。
無意味の中の意味を追ってきたエビ中のストレートなメッセージ性が新しかった。
いつでもエビ中は今のエビ中じゃないと歌えない歌を歌っていると思っているんですが、
これこそ今を歌っているんじゃないかと思いました。

そして3rdシングルでは「大好きだよ」というミディアムテンポのバラードに新たに挑戦。
一切の奇をてらった部分を排除した切ないバラードは
「どしゃぶりリグレット」、「売れたいエモーション!」に続くラブソング。

おそらく「大人はわかってくれない」や、「大好きだよ」は
別のグループの楽曲としても成立するタイプの楽曲ではあると思います。

そこをあえてエビ中に持ってきたというところで、
ファンの意識の中に無意識にできた枠を超えていくという意味では、
凄くエビ中らしいチャレンジというか、重要なものになっていると感じています。

「頑張ってる途中」もそういった成立感を感じる楽曲ではありますが、
個人的にはそれほど重要な曲とは感じていないです。
しかし、エビ中の楽曲となることで、曲自体が持つ以上に大きな魅力が生まれています。
これは番組・そして池ちゃんとのコラボレーションへの挑戦といえるのではないかと思います。

こういった「らしさ」の再構築、新しい挑戦は、現在の恵まれた環境が可能にしてると思います。
これがメジャーなんだなっていうことなのかな。

そんなチャレンジングなエビ中ですが、過去は財産です。
「らしさ」の再構築も新しい挑戦も必要でありますが、これまでの楽曲も合わせることができれば、
さらにバリエーション豊かな楽しいステージを作っていけるのではないかと思います。

節目となるイベントではやはり今現在を切り取っただけではない
いろんなエビ中が見たくなります。
今、そしてこれから先へと続いていく道の途中で、たまには昔を振り返ってくれればなと思います。

基本はどんどん挑戦していって欲しいと思っています、
それはたまには失敗もあるでしょうが次に必ず繋がってる感じがあります。
失敗する可能性のない挑戦なんてないと思うんで、いろいろやってほしいと思います。
たまには文句も言うけど楽しんでますから。