宇野愛海さん出演のAチーム千秋楽を観に行きました。
前回、宇野ちゃんが出た時*1は都合が合わなくて観にいけませんでしたが、今回は発売日にチケットの予約をして、当日まで楽しみにしていました。
演目はチェーホフの有名な戯曲「かもめ」をアレンジしたものだということですが、あまり古典の演劇には詳しくないので、ストレートな「かもめ」を見たことが無く、どの辺がどの程度アレンジされているかは分かりませんでしたが、
悲劇の戯曲*2であるという部分は変わらないのかな?面白かったです。
会場は雑居ビルの4階、演じるのは客席と同じ高さで、メインのステージとなる部分をコの字に座席が囲む形。囲んだ座席の間に通路があり、そこを出ハケに使います。
セットは最初から最後まで使われる長椅子といくつかの椅子と机、会場に作りつけられた階段と幕の開閉ができる一段高くなっているステージとして使われたもの。
初っ端のシーンでいきなり1人の長台詞があって、それを見ていてすごい不思議な気分になったりもしていました。
宇野ちゃん女優じゃないかよ。驚いた。
宇野ちゃん演じるニーナが憧れ、そんなニーナにハマる小説家トリゴーリン*3とのシーンでは無邪気な女の子っぷりを存分に発揮していて、非常に可愛らしかったですね。
見ていた席からは、丁度泣きの演技をしている時は背中からになったので顔は見えませんでした。ちょっと残念。
主人公トレープレフが4年前に作って芝居を演じたの事、その時のセリフを覚えているといって、最初の長台詞の最初の方を諳んじるところが良かったです。
勝手に色々な事が頭を回って非常にグッとくる場面でした。
エンディングで回想シーンなのか、主人公の妄想なのかというシーンがあって、そのままカーテンコールみたいな感じだったと思うんですが、その時点で涙があふれていた宇野ちゃんがお辞儀をして舞台からハケた瞬間に大きな声を出して泣いているのが聞こえてきて、さらにグッときました。
6人しか出てこない芝居ですし、役柄的にも重要な役だったので、出番もセリフも多く、演じるスペースのほんの数センチのところにもう観客がいて、それが3方向囲まれているというのはすごいプレッシャーだったんじゃないかと思います。そういった意味でも出番が全て終わってその瞬間に泣けたんでしょうね。
登場人物が全て厄介で面倒くさく、心の闇を抱えている話で、最終的に誰も救われないまま幕が降りるので、むしろ「ああ演劇見たな」って気分になりました。
終わった後に出演者が友人知人関係者に挨拶したり、客の見送りをしていたんですが、関係者以外に声をかけられているのは宇野ちゃんが抜群に多くて、会場から出るところでちょっとした渋滞ができてました。
帰り際、ちょっとだけ挨拶しました。
宇野ちゃんの「お久しぶりです」に対して、「またどっかで」って返して宇野ちゃんの笑顔を見て納得して帰りました。
この頃にはさっきの号泣はどこへやらでケロっとして、笑いながら話していたのを見るとやっぱり若いな!って思いました。
演技をしていたり、離れて見ていると大きいなって思うけど、前に立つとやっぱり小さい女の子でした。
さすがにまだあどけないところは残っているけど、あの頃よりはグッと大人になって、相変わらず美しいので近くで見れて本当に良かったなという感じでした。
序盤でたぶん最初の暗転でハケる場面の歩き方が、昔見た宇野ちゃんとおんなじで懐かしくもあり、女優仕事はこれまで観る機会がなかったので、狭い会場とはいえ声を張って演技しているところに新しさも感じてとても良かったです。
たぶんこの宇野ちゃんが演じたニーナという役は、もうちょっとお姉さんの女優が演じる方がハマるのかなというふうにも思いましたが、宇野ちゃんもすごかったなと思います。悲しい役でしたけど。
映画テレビの仕事とこういう距離の近い舞台の仕事が上手く回せるようになれば嬉しいけど、まあそうもいかなくなるだろうから、どうせならじゃんじゃん売れればいいなと思いました。
http://alotf.com/stage/kamome/
____
20140302
アロッタファジャイナ
「かもめ〜21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、
あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察〜」
渋谷ギャラリー・ルデコ