ちょっといいたいだけ

主に私立恵比寿中学とukka(ex:桜エビ~ず)について書いています。

観劇メモ:恵比寿リトル歌劇団「エビ中文化祭 ~恵比寿リトル歌劇団、ふたたび~」 赤坂ACTシアター

2部のチケットが運よく当たりましたので、1年ぶりの恵比寿リトル歌劇団を見に赤坂ACTシアターに行ってきました。
会場内に入って席につくと、結構荘厳な曲が流れてたんで、これ変にハードル上がっちゃうな、と思いながら幕が上がるのを待ちました。

幕が上がり、しょっぱなに防護服を着たダンサーのダンスから始まったので、痛烈な社会風刺でもあるのかと思ったらそうでもなかったですね。

2階席からの観劇だったので、最初に飛び込んできて踊りはじめたのが、星名、柏木だと分かるのにとても時間がかかりました。確かマスクしてたよね?結局、防護服とCO2はシロアリ駆除をする人間だったワケですが、この時点で、これは逆に難易度高いなと思いました。

物語はエビメンバーの演じるシロアリの世界と、VTRで展開される人間の世界で構成されていました。

本筋の展開は人間世界で起こる事象で、半年前にシロアリたちが住む家に引っ越してきた校長演じる厳格で家庭を顧みない父親とちょっとヒステリックな母親と暮らす、小学校6年生サチが主役の物語だと思います。こちらが本筋。

卒業を前にして転校を余儀なくされ、新しい環境になじめないサチが、毎日学校が終わると足早に帰宅し、父親が帰ってくるまで*1エビ中の動画を夢中で見ていると、その曲を聴いて、自分たちを迫害してきた人間忌み嫌っていたシロアリたちが、人間の作ったその音楽を好きだという感情を持つに至り、流れる動画に合わせて歌ったり踊ったりする*2ようになった。

やがて母親は環境に嫌気がさしサチを連れて家を出ることになる。
泣き崩れるサチ。この話を聞いたシロアリたちは自分たちをエビ中と巡り合せてくれたサチが、この家を離れることを知り、怒りの感情を「大人はわかってくれない」に乗せて歌う。
シロアリの中で、一番人間を嫌っていたりななんのソロパートからはじまる。

この大人はわかってくれないを見たサチが、シロアリたちにリクエストをする。
そのリクエストにこたえて「スターダストライト」を歌う。

やっと人間とわかりあうことができた相手であるサチとの別れにショックを受ける安本さん。安本さんはウソ800を飲んだドラえもんのび太のやりとりを思わせるわかりやすい嘘をつく。嘘をつくと伸びる触覚、最後に「ぼくたちは友達だ」で触角は伸びない…。

引っ越していくサチの手に握られたウォークマンから流れる、「イッショウトモダチ」に合わせて歌い出すシロアリたち。

もうエビ中は聴けないんだろうなと落胆するシロアリたちの耳に聴こえる、「手をつなごう」、それは父親が操作するPCから聴こえてきた。
「これがエビ中か…今度会う時はエビ中のライブに誘ってみようかな」と後悔、反省の台詞。

物語は最後、序盤でも一度歌われた「飛ぼう*3」(アニーのトゥモローのオマージュ)で終演を迎える。

あらすじ的な部分に関しては、記憶に頼って書いているので、なんとなくで見てほしいですが、まあこんな感じだったんじゃないかと思います。

当然エビ中のミュージカルであるので、スポットはエビ中たちの演じるシロアリに当たりますが、やっぱり話の本筋は人間の親子の話だと思うので、枝葉の感じが強く感じられました。
シロアリたちにもそれぞれスポットが当てられるんですが、やっぱりそれぞれが有機的に繋がっていない。それならば、設定だけある程度固めてショートの話を作って行けばいいんじゃないかなと思うくらい。設定も甘い上に、ひとつの流れの中でに全てを入れてしまったので、どれも今一つしっくりきていない。全てが物足りないと感じてしまったような気がします。

オマージュされている作品があるとの話ですが、その作品とはまったく設定が崩されていたのでかなりオリジナルに近いんじゃないかなと思います。
去年はオマージ元の色が強すぎると言われたので、こういう切り口になったのかとも思いますが、ちょっと奇想天外、支離滅裂でもうちょっと補完ができる者の方が良かったのでは?と思いました。

その中で感じた事はエビ中の持っている既存楽曲の素晴らしさ。とにかく曲がいい。本編中に物語に沿って使われた3曲はとにかく良かった。
普段とパートが違うという事で、いつもと違うフレッシュな気持ちで見れた部分もありながらも、曲自体がとにかく好きな曲だったところが凄かった。
特に言うなら、大人はわかってくれないの一番好きな歌詞を、パート変更で真山さんが歌ってたのが最高でした。
とにかく曲がいいんですよ。

個人的な趣味の話をすれば、ミュージカルと謳うならば、その体は崩してほしくないなと思います。
そういった意味で今回の出し物は何かというのであれば、ミュージカルでも歌劇でもなく、歌謡ショーですかね。

エビ中の既存曲を軸にして物語を作っていくのであれば、それはそれでいいのですが、それはミュージカルではないのかな、と思います。
もうちょっと演劇に軸を移すのであればそれでもいいと思うし、普通に演技をさせてできないワケではないと思っているので、その環境を整えることができていないのでは?という風にとらえています。

その状況はファンなら分かるし、ファンならメンバーが出ていればそれでいいというところも大きくあると思いますが、目指すところが「King of 学芸会」というのであれば、ちょっと脇が甘いんじゃないかなという風に感じました。

だからどうしたらいい、こうしたらいいという部分に関しては、あくまでも個人の要望でしかないので、あまり踏み込みませんが、年に1度の文化祭、ミュージカルとしては満足度は高くなかったと思います。
ミュージカルパートでやった限界まで邪魔のなかった楽曲は、すごく満足度が高かったです。

通常のイベントでお話を進めていくなんてことは、地方に出るようになった今、望んでも意味がないという事も分かるし、個人的にも全てを見られるような状況でもないので、こんなこと言ってもなんですが、イベントから演劇の要素を外してしまわなければ、こういうやっつけな感じは出なかったのかもなとは思いました。

結局、客はいつだってないものねだりなんです。

去年の感想です。
iitaidake.hatenadiary.jp
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20130630
恵比寿リトル歌劇団エビ中文化祭 ~恵比寿リトル歌劇団、ふたたび~」
赤坂ACTシアター

http://seesaawiki.jp/ebc/d/20130630

100倍成長した姿が見れます

*1:こう考えてくると、父親が帰ってくるの早くないか?とも思いますが…

*2:この部分が前回のダンスバトルシーンのような必然性が無かった

*3:タイトルは真山ブログのタイトルから