20120603の観劇当時に書いたものの、文体が違う部分を多少直したものです。
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東京キネマ倶楽部で行われた、恵比寿リトル歌劇団 オールスタンディングミュージカル*1「イースタン・サブカル物語」を見ました。
評価が割れてるのは、そこに何を求めているのか?という観客側の見方によるものかと思いました。
評価軸を脚本の出来に置いてる人がいるの驚くけど、それは期待値の問題か。今、エビ中がお芝居をしたら?っていう部分には答えてたかなという感じです。
「面白かったか面白くなかったか」、という見方をすればそれほど面白くなかったかな?という感想にしかならないかもしれないですね。
「面白がれたか面白がれなかったか」、という見方になったら、これは抜群に面白がれた。怒ってる人はそうでもなかったのかもしれないです。
だからってあの内容は肯定されるものではないとは思っています。でも、トータルしたら楽しかった。
面白かったのは見終わったあとにあーでもないこーでもないって話できたところです。あれを肴に終電まで呑めたからそれほど悪くはないかなと思いました。
チケットの値段を考えたら、1000円や1500円で見れてたものが、一気に4000円になったってことで、ちょっと驚きはしましたけれど、ミュージカルをやるんだって言ってるんだから、そんなもんかなとは思いました。
筋書き的には拙い部分多かったけど、まあ知ったような話だから大まかには問題なかった。*2
でも、細かいネタを突っ込むなら、それは丁寧に持っていかなきゃダメだなと思いました。
それこそ、はじめて舞台でお芝居するみたいな子が何人もいる状況で脚本演出の近藤氏も大変だったとは思います。
普段からMCの台本部分であんな感じになってる子達なわけですから。*3
大阪の前日に台本をもらった、という情報から予測するに稽古期間は約3週間、そのうち2回の週末が地方イベント、さらにテスト期間もあって、平日に合わせるのがメインとなるとアレ以上の難易度もボリュームも無理なんだろうな……。
もっとちゃんと作り込んでほしいなとも思うけど、でも作り込んだ舞台が見たいわけでもなかったことを思い出しました。
まあ、体裁を考えればミュージカルですらなかったけど、ダンスバトルと最後の歌のコーナーを考えれば、昔のライブ前にやってた小芝居のボリュームを増した感じで見たいと思ってたものではあった。
たぶん、次の機会があったらミュージカルじゃないだろうし、そこそこの箱でそこそこのものをやるだろうから、今回みたいなものが見れるのはやっぱり今回だけの一期一会なんでしょうね。
近藤氏に問いただしたいことはいくつもある。
なぜ、真山はあの設定だったのか?とか、安本さんの台詞の語尾はアレで良かったのか?とか、パンチの効いたフレーズは狙いだったのか?とか。
ほしなみちゃんの言ってた「こんなに厚かった」っていう、推定1センチの台本には何が書いてあったんだろうか?とか。セリフだけで言えば、30枚くらいのもんだったんじゃないだろうか。あの子達に状況を説明するためのト書だったのか?
客の反応としてはマチネの方が面白かった。観客が演劇の反応だった。ソワレはもうアイドルイベントのそれになってしまっていた。
ライブの感想は楽しかったでいいけど、芝居の感想は面白かったじゃないとダメだよなと思います。
2回目のカーテンコールで、演技もやりたいといった子と次もあったら頑張りますといった子と、また新しい挑戦がしたいといった子で芝居に対する姿勢がわかるなと思いました。社交辞令的にいってる子も居ただろうけど。
何はともあれ、楽しかった。最後の学芸会*4でしょうな。
各メンバーの演技に対する感想
まずはジェット団、安本さんの芝居はコントのそれだったけど、あの舞台のテンションでは丁度良かった。ひろのさんはちゃんとシーンにマッチした芝居をしてた、スネーク団に対するおちょくりとか、校長に対するおちょくりとか。りななんは佇まいで見せてた。何着ても似合うし、綺麗な顔が少年ぽさも出してた。ぁぃぁぃはジャックに終始なりきってて良かった。顎引きすぎかな?と思ったけど。
そして、スネーク団、ほしなみちゃんはなんでもやりきってすごいね。なっちゃんは昼の方が良かったかな、夜はクールな感じだった気がする。真山さんはワールド。演技もできるし、場に合わせた顔芸は得意なはず。もちはダンスバトル後の見せ場以外はニコニコしすぎ。
瑞季は歌大変だっただろうけど、良かったしかわいかった。ちょっと二の腕がぱつんぱつんだったけど。
瑞季、決して歌はうまくないけど、歌を聴くとハッとする。チャイムをはじめて聴いた頃をいつも思い出してる。
今回は瑞季以外が男役だったし、ミュージカルっていう体だったから安本さんがあの芝居でもよかった。もうちょっと別のアングルになってたら安本トニーも生きなかったかもな。
マチネはけっこう噛んでるシーンが多かったのと、そのあと変な感じになったりしてたけど、ソワレは噛むのも少なかったし舞台勘みたいなの掴んだのかなと思った。
マチソワ両方とも良かったのは、ほしなみちゃん。
もちとりななんが最初の乱闘シーンで笑っちゃってたの残念だった。もちは全般的にシーン問わずに笑っちゃってたり、敵のダンスシーンでリズムとってたり。りななんは見た目良かったのに、ちょっと子供のところが出てた。
出演者全員にそれなりに見せ場を作るという意味では題材もバランスも良かったのかも知れませんね。
運営的な部分においてはかなり問題があったと言わざるを得ない。
大きな問題は、芝居をスタンディングで見せたことと作家の能力。カーテンコールまで合わせて1時間15分くらいだったから、まあ4000円とる出し物ではなかった。
開場前に入場整列で1時間立って並び、会場入って開演まで1時間立って待ち、本番中1時間立ち見して、会場の回りには飯を食うところもまばら、そして夜の部も同じパターン。これは結構過酷ですよ。2回見るなっていうのはありますけど、でも2回しかやらないなら2回見たいでしょ……。*5
マチネの序盤はマイクのスイッチングも良くなかった気がしました。
次は、なかのZERO小ホールでやろうよ。
改めて、真山さんのやった役*6に関しては、アタイって一人称だけで処理するには難易度高過ぎる設定だったんじゃないかと思います。直前の握手会では「無理だー」って言ってたけど、全然よかった。
マチネのカーテンコールで、ざわってなった*7のは近藤氏の台本のせいだと思います。オフマイクで言ってた「豚の遠吠えだな(たぶん)」*8は台本じゃないなら、けっこう残酷なこと言うな女子高生は、と思いました。
たぶん、役に合わせてたから最後のライブパートも手振りとかけっこうラフにやってた感じしました。
居たエリアの問題で、指差しがバンバン来てたので楽しかったです。女子エリアに撒いたレスのおこぼレスでしたが。
http://seesaawiki.jp/ebc/d/20120603
20120603
恵比寿リトル歌劇団(私立恵比寿中学)
「イースタン・サブカル物語」
東京キネマ倶楽部
※20200122 一部修正、改行調整
100倍成長した姿が見れます
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